PHP入門:データ型を理解する|算術演算子と型チェックの基本

プログラミングを始めたばかりの方にとって、「データ型」という言葉は少し難しく聞こえるかもしれません。しかし、データ型を理解することは、エラーを減らし、意図した通りの処理を書くためにとても重要です。この記事では、PHPの基本的なデータ型の紹介から、算術演算子の使い方、型をチェックする方法までを解説します。

PHPのデータ型とは

PHPは動的型付け言語です。つまり、変数を宣言するときに型を指定する必要はなく、代入する値によって自動的に型が決まります。

主なデータ型一覧

データ型説明
整数型 (int)整数の値10, -5
浮動小数点型 (float/double)小数の値3.14, -0.5
文字列型 (string)文字の並び"Hello", 'World'
真偽値型 (bool)true または falsetrue, false
配列型 (array)複数の値をまとめて管理[1, 2, 3]
オブジェクト型 (object)クラスから作成されたインスタンスnew MyClass()
NULL型 (null)値が存在しないNULL

データ型と算術演算子

数値型(整数・浮動小数点)では、算術演算子を使って計算が可能です。

算術演算子一覧

演算子説明サンプル結果
+加算5 + 38
-減算5 - 32
*乗算5 * 315
/除算5 / 22.5
%剰余(余り)5 % 21
**累乗2 ** 38

サンプルコード

<?php
$a = 10;    // 整数
$b = 3;     // 整数
$c = 2.5;   // 浮動小数点

echo $a + $b;  // 13
echo $a - $b;  // 7
echo $a * $c;  // 25
echo $a / $b;  // 3.333...
echo $a % $b;  // 1
echo $b ** 3;  // 27

⚠️ 注意:文字列に対して算術演算子を使うと、自動的に数値に変換される場合があります。例えば "10" + "5"15 になりますが、意図しない挙動を避けるため、型を意識して使いましょう。

型をチェックする方法

PHPには変数の型を確認する便利な関数が用意されています。

型チェック関数の一覧

関数説明
gettype($var)型を文字列で返すgettype(42)integer
var_dump($var)型と値を出力var_dump(3.14)float(3.14)
is_int($var) / is_integer($var)整数か判定is_int(42)true
is_float($var)浮動小数点か判定is_float(3.14)true
is_string($var)文字列か判定is_string("abc")true
is_bool($var)真偽値か判定is_bool(true)true
is_array($var)配列か判定is_array([1,2,3])true
is_null($var)NULLか判定is_null(NULL)true

サンプルコード

<?php
$x = 42;
$y = 3.14;
$z = "Hello";

var_dump($x);          // int(42)
var_dump($y);          // float(3.14)
var_dump($z);          // string(5) "Hello"

echo gettype($x);      // integer
echo gettype($y);      // double
echo gettype($z);      // string

if (is_int($x)) {
    echo "$x は整数です";
}

まとめ

  • PHPには「整数」「浮動小数点」「文字列」「真偽値」「配列」「オブジェクト」「NULL」といった基本データ型がある
  • 算術演算子は主に数値型に使う(文字列は注意が必要)
  • 型を調べるときは var_dump()is_*() 系の関数を活用する

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